【実録】堅実派ライターが体験!ネット銀行のススメ

2022-04-06

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みなさんは、「ネット銀行」と聞いて、何をイメージしますか?

堅実派ライターの私にとっては、「新興の銀行だし、ちょっとよくわからないな」というのが正直なところでした。しかし今では、10年以上使った都市銀行から乗り換え、ネット銀行をメインバンクにしています。

「お堅い」銀行が大好きだったはずの私がネット銀行ユーザーになった理由や、使ってわかったメリット・デメリットについてレポートします。

1. そもそも、ネット銀行って?

まずは、ネット銀行の特徴と、おもなネット銀行についてみていきましょう。

1-1.ネット銀行の特徴

ネット銀行とは、実店舗や自前のATMを持たず、インターネット上のみでサービスを提供している銀行のことです。基本的に通帳は発行されず、提携ATMで取引をするためのキャッシュカードが発行されるのみ。人件費や店舗の維持費がかからない分、手数料が安いことが特徴の一つです。

日本に初めてネット銀行が誕生したのは2000年。さくら銀行(現在の三井住友銀行)などが出資し、「ジャパンネット銀行」が設立されました。以来、新規参入が相次ぎ、徐々にシェアを拡大しています。

1-2.国内のネット専業銀行は7つ!

国内には、どんなネット銀行があるのでしょうか。自前のATMを持っているセブン銀行・イオン銀行などを除いて、純粋にインターネット専業で運営しているのは7行。それぞれの銀行の概要を簡単に紹介します。

  • ジャパンネット銀行
    2000年に誕生した「元祖」ネット銀行。Tポイントとの連携を行っています。
  • ソニー銀行
    2001年設立。ソニーフィナンシャルグループの一員で、外貨預金を得意としています。
  • 楽天銀行
    2001年にイーバンク銀行として開業。楽天スーパーポイントと連携しています。
  • 住信SBIネット銀行
    SBIと住友信託銀行(現在の三井住友信託銀行)が2007年に立ち上げたネット銀行。業界最大級の預金額を誇ります。
  • じぶん銀行
    KDDIと三菱東京UFJ銀行(現在の三菱UFJ銀行)が出資し、2008年に開業。auユーザーには特典があります。
  • 大和ネクスト銀行
    2010年に設立された、大和証券グループのネット銀行。資産運用に強みを持っています。
    ※銀行単独での口座開設はできず、大和証券にも証券口座を開設する必要があります。
  • GMOあおぞらネット銀行
    あおぞら銀行とGMOインターネットが出資し、2018年に設立されたばかりのネット銀行です。

2. 堅実派ライターがネット銀行ユーザーになるまで

続いて、私がネット銀行ユーザーになるまでをレポートしていきます。

2-1.既存銀行への不満がきっかけ

もともと私は、都市銀行をメインバンクにしていました。大学時代、アルバイト先からの給与振込を受けるために、「支店が近いから」という理由で口座をつくりました。

「結局大手が一番」という固定観念も手伝って、何の疑いもなく10年以上口座を利用してきたのですが、ライターとして独立した2018年、自分のお金について改めて考えることにしました。

浮き彫りになったのは、ATMの時間外手数料や振込手数料の高さ。また、事業資金の管理のためのこまめな記帳にもわずらわしさを感じていました。

2-2.決め手はカッコよさ? ネット銀行選び

そこで目をつけたのがネット銀行です。存在は知っていましたが、「リーズナブルな手数料」と「記帳の手間ゼロ」という利点を改めて認識。さっそくリサーチをはじめましたが、各社のサービスは一長一短あり、決め手に欠けていました。

悩んでいたとき、決定打になったのは「支店名」でした。実店舗をもたないネット銀行は、「イチゴ」「ブドウ」などの果物、「あか」「だいだい」といった色の名前など、カワイイ支店名ばかり。事業用にも使うので、できれば「お堅い」支店名のほうが……。

それを解決してくれたのが、ソニー銀行でした。当時、ネット銀行で唯一「本店営業部」に口座を開設できたのです。「これは、かなりカッコイイぞ!」と即決しました。

2-3.本当に印鑑不要!いざ、口座開設

そうと決まれば、さっそく口座開設です。郵送による手続きも可能ですが、私はよりスピーディーなペーパーレスを選びました。個人情報の入力やキャッシュカードデザインの選択、パスワードの登録などを行い、10分程度で手続き完了。数日で、口座を開設した旨のメールが来ました。

それから10日。キャッシュカードが「本人限定受取郵便」で送られてきました。最初に届いた「到着通知書」に記載されている郵便局に電話をして、配達日時を指定。訪れた郵便局員に本人確認書類の提示と署名をして、無事に受け取ることができました。

届出印の登録は不要。インターネット上の手続きと、本人限定受取郵便のみで本当に口座をつくれました。

3.実際どうなの?ネット銀行のメリット・デメリット

ここからは、実際に使ってみてわかったネット銀行のメリットとデメリットをレポートします。

3-1.【メリット】とにかくおトク!手数料

ソニー銀行に口座を開設してからまもなく1年。大きなメリットとして感じているのは、ATM手数料が月4回まで無料になること。コンビニATMで24時間無料で現金を下ろせるのはとても便利です。

また、私は編集者としてさまざまな媒体の制作も行っているため、デザイナーさんたちへの外注費の支払いが毎月発生します。都市銀行を使っていた頃は、他行宛の振込手数料が432円と高額になるケースがありました。ソニー銀行は、他行宛て振込手数料が毎月1回無料2回目以降の手数料も216円に抑えられているのは嬉しいポイントです。

3-2.【メリット】記帳も不要!24時間取引OK

記帳作業の手間がゼロになったのもポイント。利用していた都市銀行にもネットで入出金履歴を閲覧できるサービスがあったのですが、さかのぼれるのは前月分まででした。結局記帳しなければいけなかったので、ソニー銀行ですべての履歴をネットで見られるようになったのは収穫でした。

また、ネット上で24時間いつでも取引ができる点も見逃せません。他行宛の振込であっても、24時間365日、即時送金することが可能。月末の14時台、「15時までに振込しないと当日扱いにならない!」と焦っていた頃が懐かしくなります。
※振込先金融機関の事情により、翌営業日の取扱となる場合があります。

3-3.【デメリット】口座振替対象外の場合も

もちろんデメリットも感じています。奨学金返済や公共料金の振替口座をソニー銀行に移行しようとしましたが、対応していませんでした。その他にも、口座振替に対応していないサービスやクレジットカードが少なからずあるようです。

また、セキュリティレベルの高い「ワンタイムパスワード」による振込を行う場合、ソニー銀行から届く専用のトークン(パスワードが表示される簡易端末)を手元に置いておく必要があり、その煩わしさも感じていました。

こちらは、ワンタイムパスワード表示機能のあるスマホアプリが2019年2月にリリースされたことで改善されています。

4.まとめ:賢く活かそう!ネット銀行のメリット

「大手都市銀行が一番!」と信じて疑わなかった私が、ネット銀行をメインバンクにして1年。手数料の負担が減ったことはもちろんですが、時間と場所にとらわれず、お金のやりとりを自由にできるようになったことが、最大のメリットだと思っています。

口座振替を利用するために、今までの銀行の口座を残さざるをえないことを差し引いても、ネット銀行はメインバンクとして十分機能すると感じています。ここで紹介したのはあくまで私の体験談ですが、読者のみなさんそれぞれのライフスタイルに合わせて、ネット銀行を上手に活用してみてはいかがでしょうか。

佐藤 史親 (編集者・ライター)執筆:佐藤 史親 (編集者・ライター)
1987年山梨県富士吉田市生まれ。タウン紙記者、雑誌編集者として勤務後、フリーの編集者・ライターに。モットーは、きめ細かな取材・調査に基づいた記事づくり。お金に関する話題も、わかりやすくお届けします。

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