万が一に備えて加入されている生命保険や医療保険ですが、実際加入を検討される際に、死亡原因として多い病気は何なのか、ということを気にする人も多いと思います。
そこで、日本人の死亡原因で一番多い病気や死亡原因の半数以上を占める三大疾病についての説明と、それらの病気に備えるために必要な保険について考えてみましょう。
この記事は、ほけんペディア®の許可を得たうえで転載した記事となります。
■元記事:https://hokenpedia.itcstg.jp/ganhoken/shibou-genin/
目次
日本人の死因のトップは「がん」
厚生労働省のデータ(平成29年人口動態統計5-11年次別にみた死因順位)からも、皆さんがご存知の通り日本人の死因の第1位は悪性新生物:がんです。(もちろん年齢帯によって異なるのですが)2位は心疾患、3位は脳血管疾患です。
一時期は肺炎が脳血管疾患を抜いていましたが、平成29年の厚生労働省のデータでは再び脳血管疾患が3位となっています。
日本人の死因の半数以上を占める「三大疾病」とは?
一般的に三大疾病とは、がん、心疾患、脳血管疾患、のことを指して言いますが、それぞれもう少し詳しく以下に述べさせていただきます。
がん
日本人の2人に1人が がんに罹り、3人に1人ががんで亡くなると言われていますが(国立がん研究センター がん情報サービス「がん登録・統計」罹患データ(全国推計値2014年データに基づく)) この病気は日本人に限らず、古くから多くの人が戦ってきた病です。
余談ですが、紀元前の古代エジプトにおいて既に腫瘍の外科的手術が行われていたとの情報もあるくらいです。
日本では戦後しばらくは結核が死因の第一位でしたが、その後脳血管疾患が一位になり、81年頃から日本人の死因第一位をずっとキープしているのが、がんです。
ご存知の通り医療技術の進歩により、早期発見、早期治療が進み、生存率は上昇していますが、まだまだ死亡率は高く、医療技術の進歩に比例して治療費自体の高騰化が大きく家計に負担をかける病気でもあります。
心疾患
日本人の死因の第ニ位がこの病気ですが、実はアメリカではこの病気が死因の第一位です。日本が経済的に豊かになってきた頃から食生活の欧米化に伴い、上位に上ってきた病です。
いわゆる生活習慣病に代表される高血圧、脂質異常、糖尿病や過度のストレスによって、自覚症状がないままに少しずつダメージを受け、ある日突然発作がおき、狭心症や心筋梗塞に至るという恐ろしい病気です。
実は私の友人が過日、虚血性心疾患と診断されましたが、本人は全く気付いておりませんでした。幸い早期の発見だったので入院治療にて今は問題なく生活しています。
本人曰く息切れと疲労感を急に感じるようになったため、念の為医者に行ったら発見されたとのことでした。これまでに未経験の心臓異常を感じたら速やかに医者にかかる事をお勧めします。
脳血管疾患
戦後しばらくして80年ごろまでは日本人の死因の第一位、その後少しずつですが順位を下げて現在3位なのですが、この病気の恐ろしいところは、一命をとりとめても、とても深刻な後遺症を残す可能性が高い点にあります。
先ほど虚血性心疾患の友人の話をしましたが、私にはこの病気で亡くなった幼馴染が一人、現在も半身不随で生活している幼馴染が一人います。亡くなった幼馴染は1年間寝たきりでリハビリ治療をうけておりました。
ご家族の精神的ダメージに加え、費用の面でもとても大きな負担であったと思います。この病気も、生活習慣病が発生因子としてあげられます。
つまりストレスや運動不足、深酒、高血圧、高血糖などがこの病気の発生率を高めているのです。この病気は発症後の対応がすべてを決するといっても過言はありません。症状に気づいたら躊躇わず救急車を呼んでください。
三大疾病に備える代表的な保険
医療技術の進歩にともない、我々が受けられる治療もどんどん進化してきています。
医療保険に加えて、がん保険に加入される方、また三大疾病に備えた保険に加入される方が多くなってきているのには、前述したように、医療技術の進展とそれに伴う費用負担の増加が大きく影響していると考えられます。
そこで次にそれに備えるべき保険について少し詳しく見ていきたいと思います。
がん保険
まずは、がん治療に対してどのくらいの費用がかかるのかを知ったうえで、がん保険を検討することが大切です。
がん治療とは大きく3つの治療を受けることになります、1は放射線によるがん細胞の縮小、2がんの部位の除去手術、3は再発防止や部位の消滅を意図した抗がん剤投与です。
意外とご存知のない方も多いのですが がん対策基本法という法律ができ、初期の段階から緩和ケアが受けられるようになりました。この治療が新たに4番目の治療となります。
また治療以外にも手足のむくみを矯正する下着であったり、ウィッグであったり、実質の治療にかかる費用以外にもお金がかかる事も考慮に入れて保険を検討しなくてはなりません。
少し前置きが長くなりましたが、こういった費用を賄うために、がんと診断されたら診断一時金が出るがん保険があります。診断給付金が1回だけのもの、複数回貰えるもの(各保険会社の支払い要件によりますが)などあります。
次に1~4までの各治療に対してそれぞれ給付金が出てくるタイプのものもあります。(各保険会社により給付額など異なります。)
この給付スタイルは三大疾病のなかでもがん保険の特異な部分です。加えて、医療保険と同じように入院給付金、手術給付金、通院給付金、先進医療特約など付保する事が可能です。
会社によっては上皮内癌の場合、診断一時金に差があったり、がんとなった場合、以降の保険料の払い込み免除の特約があったりと会社によって給付スタイルが異なります。
三大疾病保険
一般的な生命保険の機能である死亡および高度障害に該当した場合の保障に加え、それ以前に三大疾病を患い所定の状態となった時に受取れる三大疾病保険金(一時金)の保障が付加されたタイプが一般的です。
保険会社によって三大疾病を
悪性新生物、急性心筋梗塞、脳卒中と病名指定の保険会社
悪性新生物、心疾患、脳血管疾患としている保険会社と相違がある事を理解しておいてください。
病名指定の場合、まさしくその病気でなければ給付の対象になりませんので確認が必要です。
商品名に「三大疾病」となくても、定期保険や収入保障保険に三大疾病への給付特約が付保されているものもあるため、三大疾病保険を検討される場合、合わせて調べてみるとよいと思います。
がんのみならず三大疾病への保障も併せてとなると費用的なものも安くはないので、身近な保険担当者またはFPに相談され、ご自身に合ったプランニングを検討されることをお勧めします。
「がん保険」と「三大疾病保険」どちらの保険に入るべき?
最後に、どちらに加入するのが良いのかという事ですが、両方というのが本音です。ただ家計負担等考えると、最終的には各ご家庭マターとなるでしょう。
データー的な確率から申しあげれば、やはりがん治療に対してかかる費用の保障を充実させること、となるでしょうが、脳血管疾患などは発症した後の生活が一変します。
重度の後遺症が残った場合、当然収入ダウンの可能性は非常に高く、発症した方が大黒柱の働き手であれば、その後家族の生活は大変です。その点を考えるとこの場面でどちらかというのは困難です。
まさしく各家庭での状況、だれが加入されるのかといった個別の状況で判断が異なってくるわけです。
従って、加入検討される場合はしっかりとご家族で話し合い、身近なFPに相談されたうえで、どのような加入の仕方が良いのかをご判断されてください。
まとめ
三大疾病保険とは何ぞや?とかがん保険は加入しているから安心。でなく、医療技術の進歩や国の法律、などにより保険の給付スタイルや保障内容がかなり変化している昨今、定期的な見直しやチェックは、特にこの分野には必要です。
■保持資格:トータル・ライフ・コンサルタント
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