現金払いは時代遅れ!?急激にキャッシュレス化が進みそうな日本

2022-04-06

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最近、「○○Pay」といったQRコード決済の話題を、よく耳にしませんか?

PayPayの100億円キャンペーン広告とか、ヨドバシカメラが独自決済のヨドペイを始めるというニュースとか。

なぜそんなに盛り上がってるのか、QRコード決済やキャッシュレス決済の現状について調べてみましたので、日本のキャッシュレス化の流れについてご紹介します。

1.QRコード決済のユーザーは2021年度末に1,880万人と予想

ICT総研「2019年 モバイルキャッシュレス決済の市場動向調査」によると、QRコード決済サービスのアクティブユーザーは2021年度末に1,880万人に達する見込みとのことです。

また日本能率協会総合研究所の発表によれば、国内のQRコード決済市場は2023年にはなんと8兆円(!)にまで拡大すると推計されています。

成長産業であるこの市場で機会を逃さないために、各社がサービス開発しまくってることが「○○Pay」であふれるカオス状態の原因なのかもしれません。

思い当たるものをあげるだけでも、Amazon Pay/LINE Pay/Origami Pay/PayPay/au Pay/EPOS Pay/楽天ペイ/ゆうちょPay/ファミペイ/メルペイ/ヨドペイ…、とこれだけの種類があります。

QRコード決済だけでなく、SuicaやiD、楽天Edyといった電子マネーなども加えていくとさらにものすごい数になります。各社で激しいシェア争いを続けており、国内のキャッシュレス決済市場は戦国時代と呼べる状況にあります。

2.日本におけるキャッシュレス化の動き

昨年、日本政府は「キャッシュレス・ビジョン」を発表し、その中で20%ほどしかない国内のキャッシュレス決済比率を2025年までに40%にすると宣言しています。

その目的はいくつかあると思いますが、ラグビーワールドカップ2019日本大会や2020年オリンピック・パラリンピック東京大会、2025年日本国際博覧会などのビッグイベントをこれから次々と迎えていくにあたり、海外からの来訪者に気持ちよくお金を使っていってもらいたい意図が感じられます。

というのも、海外ではキャッシュレス決済が一般的だからです。

日本では「クレジットカード使用不可」といった看板を見かけますが、ヨーロッパの一部では逆に「現金払いお断り」のお店もあるようです。またお隣の中国ではAlipayとWeChatPayの2大QRコード決済がここ数年で急速に浸透しており、日本銀行によると中国都市部での利用率は98.3%とのことです。

国際的なビッグイベントでせっかく来日してくれる人たちがお金をあまり使ってくれないのでは、大きな機会損失になってしまいます。彼らにいつも通りのやり方でお金を使ってもらう環境を整えることが、日本経済にとって重要だという判断が政府にあったのかもしれません。事実、キャッシュレス決済に対応しようとする中小の小売店に対して、必要な機器を配る、加盟店手数料を国が補助する、といった政策案が出ているようです。

実際のデータを見ても、確かに海外からの訪問者はどんどん増え、過去最高を更新し続けています。東京を歩いていても、あちらこちらで海外の人を見かけるようになってきました。物価の高さも世界基準では少しずつ下がってきており、ビッグイベントのあるなしに関わらず、海外からの訪問者は今後も増え続けると思います。

タイやマレーシアのような途上国と呼ばれていた国の発展もめざましく、日本の一般的なサラリーマンよりはるかに高い年収をもらっている人たちがたくさんいます。海外の人たちにとって、日本はコスパの良い旅行先に変わってきているようです。そんな彼らを顧客にしていくためには、キャッシュレス決済できるお店であることが絶対条件になってくるでしょう。

3.キャッシュレス化のメリット

お店側だけでなく消費者にとっても、キャッシュレス化するメリットがいろいろあります。

まずは「手軽さ」
現金を持っていなくても、カードやスマホさえあれば買い物ができてしまいます。コンビニのレジで小銭を探して…、なんてムダな手間もなくなります。スマホでの支払いであれば、スキミングのリスクもありません。心配するのはスマホの電池切れくらいでしょうか?

「保険」機能も大きなメリットだと思います。
もし現金10万円を盗まれてどこかで使われてしまったら、どうすることもできません。しかし、たとえばクレジットカードを盗まれて10万円分不正使用されたとしても一定期間内であれば補償されます。また盗難に気づいてすぐカード会社に連絡すれば、そもそもカードを使われないよう防ぐこともできます。一部のQRコード決済でも、損害額を補償する制度は整えられています。

そして「コストの軽減」も、メリットと言えるかもしれません。
使われる現金が減れば、毎年数百億円もかかっている貨幣の製造費用を抑えることができます。
また全国各地にあるATMの維持・管理費や現金輸送費などを合わせると、金融業界だけで毎年1兆円を超えるコストがかかっていると言われています。こういったコストが削減されることで、消費者向けの新たなサービスが一層充実していく可能性もあります。

4.今後への期待

メリットの多いキャッシュレス決済ですが、あまりに種類が増えすぎて何がなんだかわからないという人も多そうです。消費者としても店舗側としても、何種類かに絞られて欲しいな、というのが正直なところではないでしょうか。

そういった声を受けてか、経済産業省が規格の分かれているQRコード決済に対して統一に乗り出したとのニュースもありました。これで少しは導入に向けて追い風になるでしょうか。

とにかく消費者にとって使いやすい決済サービスが普及することで、日本でもキャッシュレス決済できる店舗が一般的になることを期待します。

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