将来、必要になる子どもたちの教育費や老後の資金を考えると、もっと効率的に貯蓄ができないものかと頭を悩ますママたちも多いのではないでしょうか?
そこで提案したいのが、より賢くお金を増やすという選択肢。
毎月節約できたお金をただ蓄えていくのではなく、お金を運用するという考え方を身につけ実践することで、効果的に貯蓄を行うことができるのです。
そこで今回は、日々お金の管理に頭を悩ますママたちが、「賢いお金の増やし方」について、お金のプロからレクチャーを受けてきました。
講師には、ファイナンシャルプランナーであり、「お金とがん」のコンサルティング会社の代表取締役をつとめる高橋義人さんを迎え、これからの時代に知っておきたい貯蓄事情についてお話をおうかがいしました。
目次
1.銀行に預けてもお金が増えない時代
「現在、銀行の定期預金に100万円預けた場合、1年間で利息がいくらもらえるか知っていますか?」
高橋さんからの問いかけに「ほとんどもらえないよね……」、「数百円くらいじゃないかな」と予想を口にするママたち。
「答えは、たったの100円です。しかも利息からは20.315%が源泉徴収されるため、実際の受取金額は80円なのです」
高橋さんによると、かつては定期口座の利息が7~8%。10年で預けた金額が倍になる時代もあったそう。
しかし、残念ながら今の日本は、マイナス金利の時代。
銀行にお金を預けることで受け取れる利息が0.01%(定期預金)にまで引き下げられ、銀行にお金を預けたところで、お金は増えない時代になってしまったのです。
では一体、どのようにお金を増やしていけばよいのでしょう?
2.短期・中期・長期で必要となる3タイプのお金
お金を増やす方法を知る前にやっておきたいのが、今後必要となるお金を把握しておくこと。
お金と時間軸との関係を知ることで、それぞれのお金にどのように向き合っていくべきかが理解できるようになってきます。
2-1.短期で必要となるお金:生活費など
短期で必要となるお金とは、日々出入りする「住居費」、「食費」、「光熱費」などの生活費をさします。
流動性の高いお金のため、必要になったらすぐに使えることが重要。そのため、短期のお金を管理するには、銀行の普通預金やゆうちょ銀行などの通常貯金で管理するのが主だといいます。
2-2.中期で必要となるお金:子どもの塾代、学校の入学金など
中期で必要となるお金とは、5年後以内に使う予定のお金で、主に子どもの塾代や入学金などをさします。
絶対に減らしてはいけないお金のため、安全性の高い管理方法として、銀行の定期預金や積立定期預金などを利用するケースが多いようです。
2-3.長期で必要となるお金:退職後の資金など
長期で必要となるお金とは、しばらく手をつけない老後の資金などのお金をさします。
いざという時の備えとなるお金のため、収益性を重視した管理方法が重要となります。
現在貯蓄に回せるお金が2~3万円あるならば、「長期で必要となるお金」をどう増やすかを考えるべき」と高橋さん。
銀行にただ預けているだけではお金が増えない時代だからこそ、将来確実に必要となる資金を自身でいかに運用し、増やしていくかが大きな課題になるといいます。
3.お金を増やすために知っておきたい運用術
お金を増やすには、国や企業が発行する「債券」や「株式」、さらに「外貨」などを利用して、お金を運用する方法があります。
ただ興味があっても、「難しそう」、「リスクが高そう」というイメージから、なかなか気軽に始められないのも現実です。
しかし、現在は公的年金でさえも、実は全体の50%は株式を使って運用しているといいます。
もはや「株式」や「債券」、「外貨」などを使ってでしか、お金が増えない時代に突入している証拠でもあります。
そこで今回は高橋さんに、運用のポイントや気軽に始められる金融商品について聞いてみました。
3-1.いかにお金を増やすかは“金利”にかかっている!
「お金を賢く運用するためには、どれだけの金利で運用するかが重要です」と高橋さん。
例えば、30歳から65歳までの35年間、月々4,4000円を積立するとします。
現在の銀行の定期預金の金利よりも高い0.1%の複利商品(利息を元本に組み入れ、その合計元本に対して利息が計算される商品)で運用ができたとしても、最終的な貯蓄額は1,822万円にしかなりません。
しかし3%の複利で運用したならば、貯蓄高はなんと3,288万円にまで達することになります。
いかに高い金利によって運用できるかが、賢くお金を増やすカギとなるのがわかります。
3-2.運用を始めるためにおさえておきたいポイント
「まずは、リスクの低い形で株式や債券運用に踏み込んでいくことが必要です」
運用の基本的な考えとして重要なのが、リスクを分散するための「分散投資」という考え方。
一つの金融商品だけに頼って、多くのお金を運用するのはリスクが高いため、「確実に何%で戻ってくるという安定した商品に加えて、ある程度変動要素のあるものを使って運用しないとお金が増えない」と高橋さんは話します。
また、運用商品のなかでも特に有名なのが、「投資信託」。
少額の資金で始めやすく、運用のプロにまかせられるというメリットがある反面、手数料が高く、元本保証がないというデメリットがあります。
「1%~3%の利回りで、手数料を1.5%取られるのは正直きついですよね」
始めやすい手軽さはあるものの、確実にお金を増やすには厳しい面があるため、やはりリスクが高いのは事実。
3-3.保険会社が運用をサポートする「変額保険」
「賢く運用するためには、リスクをどこで回避するかが重要なんです」
そこで高橋さんがおすすめするのが、保険会社がやっている投資信託型の商品「変額保険」。
保険料の一部を株式や債券等で運用し、運用実績により保険金や解約返戻金(保険を解約した時に戻ってくるお金)、将来の満期保険金が変動していく商品です。
長期間にわたり保険を継続した場合、大きな運用収益が期待できるというメリットがあるといいます。
さらに、運用するファンドを保険会社が設定したファンドの中から選ぶことができるため、リスクをおさえながら、お金を増やせる可能性があります。
4.お金を増やすには「時間」と「金利」を味方にしよう
賢くお金を増やすためには、まずは早くから貯蓄をスタートし、長期間にわたっていかにお金が貯められるかが、大きなポイントになるといいます。
短期間で「株式」や「債券」などを運用した場合は、どうしても収益のズレ幅(リスク)が大きくなりがちな傾向にあります。
しかし、長期間の運用になればなるほど、収益の安定が期待でき、結果としてお金を増やすことにつながるのです。
さらに「金利」に注目して、運用方法を選ぶことで、貯蓄の効率性を高めることができます。
ただひたすら我慢を強いられるだけの「節約」頼みにならず、頭を使っていかにお金を増やすかを考えることも、ママたちにとっても非常に重要。これからの厳しい時代を乗り越えるためにも、金融商品や保険を使った賢い貯蓄術をぜひ検討してみてください。
【FPレクチャー記事】
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