万一のときの備えとして、収入保障保険を利用するケースが増えてきています。
そこで今回は、収入保障保険のしくみと、どんな時に必要となるかなど、収入保障保険選びに必要な情報を凝縮してお届けします。この記事を読むだけで基本的なことはわかりますので、人気の収入保障保険を選ぶときの参考にしてください。
目次
1. 収入保障保険ってどんな保険?
はじめに、収入保障保険のしくみについて解説します。
1-1. 収入保障保険のしくみ
収入保障保険とは、被保険者が死亡した時に、一時金ではなく、毎年(あるいは毎月)決められた額を遺族が受け取れるという形式の保険です。受け取る側も計画的な利用ができるので便利な保険です。
収入保障保険には2種類のタイプがあり、死亡時期に関係なく受け取り期間が10年や15年など受け取り期間を保障するタイプものと、保険期間の残存期間に合わせて受け取るものとがありますが、後者の方が収入保障保険としては一般的です。
残存期間に合わせて受け取るということは、受け取り時期が遅いほど受け取り金額の総合計が減っていくことになります。
また、保険期間が残りわずかな時期に死亡した場合には、少ししか受け取れないことになりますが、これに関して、各社が最低保証期間を設定しています。(1年・2年・5年・10年など)
■ 収入保障保険の合計死亡保険金額の推移
1-2. 収入保障保険は保険料が安い?
収入保障保険は、合計死亡保障額が年々減っていきますので、同じ保険期間の定期保険に比べると保険料が低くなっています。つまり、高額な死亡保障を効率よく、安く確保することに適した保険です。
■ 定期保険と収入保障保険の比較
2. 収入保障保険の選び方
つぎに、収入保障保険の選び方について解説します。
2-1. 収入保障保険はどんなに人に向いているか
収入保障保険は、なるべく安く死亡保険を確保したい人に向いています。
特に一家の大黒柱の人など高額保障を必要とする人や、子どものいる女性に適しています。保障額は、自分に万一のことがあったときに残された人が生活に困らないように、と考えるて決めていきます。
また、収入保障保険は保険の見直しを検討している人にとっても、保険料も安く、便利に活用しやすい商品です。ただし多種多様な商品が販売されていますので、じっくり比較検討して選ぶことがポイントです。
2-2.収入保障保険の保障額の考え方
一家の大黒柱などは、自分が万一のときに残された家族の生活を守れるように、子どもが小さいときほど高額な死亡保障が必要となります。そして、子どもの成長と共に必要保障額は段々と下がっていきます。
■ 一家の大黒柱の必要死亡保障額推移
収入保障保険も同様に、段々と死亡保障総額が下がるしくみのため、この必要保障のラインと合致しているわけです。ですから、効率よく、そして安く、必要となる死亡保障を確保しやすいという利点があります。
2-3. 実践!収入保障保険選びのポイント
収入保障保険は、各社から多数の商品が発売されていますので、どの商品を選べばいいのか迷ってしまいがちです。そんなときに、どのような点を確認したり比較したりすべきか、そのポイントをお知らせします。
2-3-1. 自分に必要な特約がある商品を選ぶ
収入保障保険には、各種の特約をセットできる商品が多いです。死亡保障だけではなく、働けなくなったときなどの就業不能保障や、三大疾病や生活習慣病の保障など、自分に必要となる保障の特約を付帯することで、有利に総合的な保障を確保できます。
2-3-2. 保険料や割引を活用
非喫煙者や健康体の場合に割引となる商品もあります。該当するする人は活用しましょう。反対に、スモーカーの方などはこうした割引制度を適用していない商品の方が安くなる傾向もあります。保険料をいくつか比較して有利なものを選びましょう。
ただし、安いだけで選ぶと、保障範囲などに細かい違いがある場合もありますので注意してください。
2-3-3. 保険料払込免除となる条件の違いを確認
ほとんどの商品には、一定の疾患などで、以降の保険料の払込みが免除となるしくみがあります。この条件が各社によって微妙に異なっているのでぜひ細かい点を比較してみてください。
例えば「三大疾病」を条件としている場合、三大疾病とは「がん」「心筋梗塞」「脳卒中」としているところが多いですが、「がん」の場合でも、対象となるのが「手術をしたとき」または「入院したとき」、あるいは「医師の診断時」等々、商品によって条件に違いがあります。
また、心筋梗塞や脳卒中については、心疾患や脳血管疾患などに範囲を広げているものもあります。細かい点ではありますが、安易に保険料の安さだけを見るのではなく、こうした違いも見極めて選ぶといいでしょう。
3. 収入保障保険のメリット・デメリット
収入保障保険の特徴やメリット・デメリットを見ると、次のようになります。
- 保険料が安い事が一番の利点です
- 合理的なしくみで一家の大黒柱の保障に最適です
- 健康体や非喫煙の割引で安くなります
- 働けなくなった時の就業不能保険など、各種の特約をセットできます
- 保険料は掛け捨てです
- 保険期間の後半、保障が下がります
4. まとめ:収入保障保険は効率よく死亡保障を確保できるので必要
最後におさらいとして、収入保障保険の必要性が高い理由についてまとめてみましたので参考にしてください。
- 一家の大黒柱などの必要保障額は、子どもの成長と共に段々と下がっていきます。収入保障保険はこの必要保障額の推移と合致しているので効率よく保障を確保できます
- 死亡保険金は、毎月(または毎年)支払われる仕組みなので計画的に活用でき、受け取る側にとっても、親切な保険です
- 効率よく、安く、必要保障を確保できます
保険・金融専門の執筆家で庶民感覚のわかりやすい文体に定評がある。保険WEBサイト、経済紙記事、書籍「就業不能リスクとGLTD(共著)」ほか執筆実績多数。保険業界メールマガジンinswatch発行人。
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※掲載している情報は、記事公開時点での商品・法令・税制等に基づいて作成したものであり、将来、商品内容や法令、税制等が変更される可能性があります。また個別の保険商品の内容については各商品の約款等をご確認ください。