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医療保険の種類(公的・民間)|よい医療保険選びの4つの基準

  • 公開日:2016年03月07日
    最終更新日:2021年11月24日
  • 医療保険

2021-11-24

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医療保険に入ろうと思って調べてみると、とても多くの種類・商品があって、どんな保険を選んだらいいのか迷ってしまいます。

しかしそんな医療保険も、ちょっとしたコツさえつかめば、自分のニーズにあった保険を簡単に絞り込むことができるようになります。

そのコツとは、まずはここで紹介する6つの医療保険の種類を理解しておくことです。この6種類の保険がわかると、「保障はいつまで必要か」「女性疾病の保障を充実させたいか」などといった、医療保険を選ぶ際の4つの判断基準が自然にわかり、自分にあった保険も選べるようになります。ぜひこの記事を読んで医療保険選びの迷いを解消させてください。

また、医療保険に入る以前に知っておくべき公的な医療保険の種類についても、はじめに紹介しておきますので、必要な方はご参照ください。

1.公的医療保険と民間の医療保険がある

医療保険という言葉を使うときには、大きく分けて2つの意味(種類)があります。

その一つは、公な的医療保険(病院の医療費が3割負担ですむことでおなじみの健康保険)で、もう一つが生命保険会社等が販売している民間の医療保険です。

考え方としては、全国民が加入する基本的な医療保障として公的な医療保険があり、それでは足りない部分を個人で備える保険として民間の医療保険があります。

以下に、それぞれの医療保険ごとにその種類を紹介します。

1-1.公的な医療保険の種類

公的な医療保険は国民皆保険といってすべての人が何らかの保険に加入しています。加入している保険は、職業や年齢にいくつかの種類があります。

■公的な医療保険の種類

 種類対象者
健康保険全国健康保険協会(協会けんぽ)健保組合のない企業で働く人
組合管掌健康保険(健康保険組合)健保組合を設立している企業で働く人
日雇特例被保険者の保険日雇労働者
船員保険船員
共済組合国家公務員共済組合国家公務員
地方公務員共済組合地方公務員
私立学校職員共済私立学校の教職員
国民健康保険健康保険・共済組合等の保障対象外の人、自営業者等
後期高齢者医療75歳以上、65~74歳で一定の障害がある人

1-2.民間の医療保険はおもに6種類

 

民間の医療保険は、保険期間、被保険者、貯蓄性、引受基準などで分類することで、おもに以下の6種類の保険に分けられます。

■民間の医療保険の種類

種類分類方法
定期医療保険保険期間による分類
終身医療保険
女性保険被保険者による分類
貯蓄型医療保険貯蓄性による分類
限定告知型医療保険
(引受基準緩和型医療保険)
引受基準による分類
無選択型医療保険

この6種類はそれぞれが独立した別のものではなく、たとえば、女性向けの医療保険にも定期医療保険と終身医療保険があるなど、6種類の要素が組み合わされて一つの商品になっている場合もあります。このような組み合わせを考えると非常に多い種類になってしまいますが、基本的にこの6種類がわかっていたら、自分にあった医療保険選びに十分に役立ちますのでご安心ください。

2.民間の6種類の医療保険の特徴と適したケース

ここからは、民間の医療保険の種類毎にその特徴と加入に適したケースを紹介します。
※以下、医療保険というときは、原則民間の医療保険のことをさします。

2-1. 定期医療保険|保険期間が決まっている保険

定期医療保険は、あらかじめ決められた期間だけ保障がある医療保険です。たとえば、保険期間が10年などと決まっていて、たいていは保険期間が終わると契約が自動更新されます。

一般的に、同じ年齢であれば終身医療保険よりも保険料は割安ですが、更新すると更新時の年齢にもとづく保険料にかわるため、長く加入する場合は更新ごとに保険料が上がっていきます。また更新を続けても、保障を継続できる年齢に制限(80歳まで等)があります。

特定の期間だけ保障がほしい場合や充実させたい場合などに適した保険です。

定期医療保険が適したケース

  • 新社会人になり医療保険には入っておきたいが、まだ収入が低いため保険料をできるだけ安く抑えたいという場合に、将来収入が増えて終身医療保険に入れるようになるまでの間、定期医療保険に加入するケースなど。

2-2. 終身医療保険|保障が一生続く保険

終身医療保険は、一生涯保障が続く医療保険です。保険料は、加入時の保険料がずっと一定です。また保険料の支払い方法として、生存している間ずっと支払い続ける終身払いと、一定の期間で払い終えてしまう短期払いがあります。短期払いにすると、老後に保険料を支払い続けるという負担なしで、保障を残せるメリットがあります。終身払いと短期払いのどちらが保険料の支払いを抑えられるかは、何歳まで生きるかによって違ってきますので事前にはわかりません。

高齢になるほど、病気やけがの不安は大きくなりますので、生涯の保障を確保するのに適した保険です。

終身医療保険が適したケース

  • 医療保険は基本的には終身がおすすめです。したがって、収入が少ない、高齢で保険料が高くなるなどの理由で保険料の負担が難しい場合を除いて、医療保険に入りたい人は、ほとんどのケースで終身医療保険が適しています。

終身医療保険の詳しい特長や加入するときのポイントについては下記ページをご覧ください。
失敗しない!終身医療保険選びに必要な知識と5つのポイント

2-3. 女性保険|女性の病気の保障が手厚い保険

女性保険は、女性特有の病気や女性がかかりやすい病気についての保障を手厚くした医療保険です。たとえば、乳がんや子宮筋腫、子宮がん、甲状腺にかかわる病気などのときに、入院給付金が上乗せされます(入院日額が増える)。

また、女性疾病だけでなくがん全般も同様に保障が手厚くなっている商品もあります。各保険会社によって対象となる病気に違いがあるので事前に確認が必要です。

保険期間は定期と終身のどちらもあります。

女性で、女性疾病についての不安が大きい人やがんに対する備えも含めて医療保険を考えている人は検討してみるとよいでしょう。

女性保険が適したケース

  • 母親が乳がんになり治療や関連費用が高額になったのをみて、女性の病気やがんについての保障を充実させたいと思って加入するケースなど。

女性保険について詳しくは下記ページをご覧ください。
5分でわかる女性保険のすべて。本当によい保険の選び方とは?

2-4. 貯蓄型医療保険|貯蓄もできる保険

貯蓄型医療保険は、掛け捨てではなく貯蓄性のある医療保険です。何年かに一度、生存給付金を受けられるものや、決められた年齢になると、それまで払った保険料から受け取った給付金の額などを差し引いた金額が戻ってくるものがあります。貯蓄性がある分、保険料は割高になります。

    • 一定の年数ごとに生存給付金があるタイプ
      たとえば、生存していれば3年ごとに3万円が戻ってくるといった商品です。基本的には、貯蓄にまわる分だけ保険料が割高になっています。保険会社が貯蓄分のお金を預かって運用してくれていて、一定期間ごとに貯まったお金を戻してくれているようなイメージです。
       
    • 一定の年齢で支払った保険料が戻ってくるタイプ
      たとえば、60歳になったときにそれまでに支払った保険料から、それまでに受け取った給付金を差し引いた金額を還付給付金として受け取ることができるといった商品です。将来戻ってくるとはいえ、保険料はかなり割高になっています。
      保険会社にお金を預けておいて、入院や手術をしたときにそこからお金を受け取り、規定の年齢で残りのお金を返還してもらうといったイメージです。

      還付給付金の受取後も、保険料の支払いが必要なタイプと不要なタイプがあり、必要なタイプの場合は、その年齢以降は保険料が掛け捨てになります。

貯蓄型医療保険は、貯蓄性のない掛け捨ての医療保険と比べると、基本的に貯蓄分のお金を保険料として事前に支払っています。つまり、貯蓄があるから得とか、ないから損ということではありません。保険と貯蓄を切り離して考えるか、一緒にしたいかという好みの問題といえます。

貯蓄が苦手で、保険と一緒なら続けられそうという人は検討してみるとよいでしょう。
ただし、貯蓄分のお金がもらえないケース、たとえば、途中で死亡したり解約したりして戻ってくるお金が減額されるケースなどがあることも注意しておきましょう。

貯蓄型医療保険が適したケース

  • 医療保険に入りたいが、掛け捨てになることに対して大きな抵抗感があるので、将来保険料が戻ってくるタイプの貯蓄型医療保険に加入しておきたいというケースなど。

2-5. 限定告知型医療保険(引受基準緩和型医療保険)|告知が簡単な保険

医療保険は、持病があったり過去の病歴によっては加入できないことがあります。しかし、限定告知型医療保険は、数項目の告知事項(質問)に該当しなければ入ることができる保険です。告知事項を少なくして、持病があるような人でも入りやすくした保険です。

入りやすくなっている分、一般の医療保険に比べて保険料は割高になっています。また1年間は給付金が50%に削減されます。

病歴などにより、一般の医療保険に加入できないが、医療保険に加入したい人に適した保険です。

限定告知型医療保険が適したケース

  • 治療が長引きそうな投薬治療中の病気があって、一般の医療保険に加入しようとしたら複数の保険会社から加入できないといわれたようなケース。

注意
病気があるからといって、すぐに限定告知型医療保険に加入するのではなく、まずは一般の医療保険に入れるかどうかを確認しましょう。病気や治療状況によっては一般の医療保険にそのまま入れる場合や比較的軽い制限だけで入れる場合もあります。

2-6. 無選択型医療保険|告知のいらない保険

無選択型医療保険は告知なしで入れる医療保険です。告知がないので、原則誰でも入れますが、保険料はもっとも割高になります。また、病気についての保障は責任開始日から90日間は保障の対象とならない、契約前に発病していた病気やそれに関係ある病気の場合は保障の対象とならないなどの制限があります。

限定告知型の医療保険にも入れない場合に検討する保険です。ただし、保険料が割高になり保障の制限もありますので、加入については慎重に判断するようにしましょう。

無選択型医療保険に適したケース

  • がんを経験していて、その他の病気になったときのためにどうしても医療保険に入っておきたいが引受基準緩和型医療保険にも入れないようなケース。

3.自分にあった保険種類を選ぶための4つの判断基準

さて、ここまで医療保険の種類についてみてきましたが、それでは一番いいのはどれでしょうか? あなたにあった保険種類を選ぶための基本的な考え方をご紹介します。以下の4つの質問に答えることで、自分のニーズがまとまっていくようになっています。

3-1.保障はいつまで必要?

あなたにとって、医療保険はいつまで必要ですか?

一生必要だと思うなら終身医療保険ということになります。特定の年齢まででよければ定期医療保険ということになります。

3-2.女性疾病の保障を充実させたい?

あなたは女性疾病になったときの保障を充実させたいですか?

充実させたいなら女性保険ということになります。充実させなくても普通の医療保険の保障だけで十分と思うなら普通の医療保険でよいでしょう。

3-3.貯蓄したい?

あなたは保険で貯蓄がしたいですか?

保険で貯蓄がしたいなら貯蓄型医療保険がよいでしょう。貯蓄は保険でなくても別にすればよい、貯蓄と保険は切り離して考えたいということであれば、貯蓄性のない保険のほうが商品も豊富でいろいろな保険を比較して選ぶことができます。

3-4.持病はある?

あなたは持病や病歴が原因で一般の医療保険に入れなかったですか?

入れなかった場合は、限定告知型→無選択型の順に加入を検討しましょう。入れる場合は一般の医療保険を優先して考えましょう。

ここで重要なのは、判断基準は持病があるかないかではなく、それが原因で入れなかったかどうかということです。病気があっても条件付で一般の医療保険に入れればそのほうが有利なことがあります。基本的に、引受条件が厳しいものから順番に検討してみることをおすすめします。

4. まとめ:ニーズにあったものが一番

民間の医療保険にはおもに6種類があります。組み合わせによってはもっと多くの種類がありますが、基本的にはこの6種類について理解できれば、医療保険の全体像をおさえることができます。

そして、このなかから自分にあった保険を選んでいくためには、この記事で紹介した各種類の適したケースを参考にしていただくとともに、以下の4つの質問に自問自答してください。

1.保障はいつまで必要?
2.女性疾病の保障を充実させたい?
3.保険で貯蓄したい?
4.持病はある?

この4つのポイントが明確になれば、自然と自分にいちばんあった保険を選べるようになります。

保険に入るときは、ついつい他人の評価や人気ランキングが気になるものですが、周りの意見よりも自分の意見を信じて、ぜひ自分のための保険をお選びください。

※記事内容の利用・実施に関しては、ご自身の責任のもとご判断ください。

※掲載している情報は、記事公開時点での商品・法令・税制等に基づいて作成したものであり、将来、商品内容や法令、税制等が変更される可能性があります。また個別の保険商品の内容については各商品の約款等をご確認ください。