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自分にあった医療保険の選び方|保障の決め方と年代別のポイント

  • 公開日:2018年11月16日
    最終更新日:2022年04月06日
  • 医療保険

2022-04-06

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多くの商品が販売されている医療保険。入院や手術、通院など、保障の内容も複雑で、いざ入ろうとすると、どれがよいか迷ってしまいますよね。結局、保険料の安さだけで選んで失敗するのも嫌。

そんなふうに医療保険の選び方で悩んでいる人は、ぜひこの記事をお読みください。
医療保険の保障やタイプをもとにした選び方のポイント必要な保障の決め方年代別の選び方のポイントまで、医療保険選びに必要な基本知識を全て紹介しています。

きっと、自分に合った医療保険選びの参考になると思います!

1. 医療保険に入るのはのはなぜ?

医療保険の選び方の前に、「なぜ医療保険に入るのか?」、その目的や加入するタイミングについて確認しておきましょう。

1-1. 健康保険では足りない高額な医療費をカバーするのが目的

日本の公的医療制度は世界の中でも充実しており、医療費の自己負担額が一定の金額を超えた場合、超過分が支給される「高額療養費制度」があります。

しかし、個室を希望する場合に発生する差額ベッド代やその他雑費、あるいは先進医療の技術料など、公的医療保険の対象とはならない費用もあります。また保険診療のみでも、複数月にわたる長期入院の場合には負担額は相応に大きくなります。

保険会社が販売する医療保険は、こうした公的医療制度の対象外となる自己負担額や長期入院の際の高額な治療費をカバーするための商品です。

高額療養費制度については、以下の記事も合わせてご参照ください。
一覧表で早わかり!高額療養費制度の自己負担限度額と申請方法

1-2. 加入するなら若いときの方がよい

結論からいうと、医療保険は、できるだけ若いうちに加入するのがベストです。その理由は保険料。

一般的に医療保険では、加入年齢が高くなればなるほど、保険料は高額になります。さらに、健康なほど保険に加入しやすく、保険料も安くなります。年を取るほど持病や病歴ができることが多くなるため、保険に入りにくくなったりその分保険料が割増になったりします。早めの加入を検討しましょう。

2. 選び方に関係してくる「医療保険のタイプ」

医療保険の種類・タイプは実にさまざまです。そして、その違いが医療保険を選ぶ際にポイントになってきます。そこで、医療保険の選び方を説明する前に、絶対おさえておくべき「医療保険のタイプ」の違いについて説明します。

2-1. 掛け捨て型と貯蓄型

医療保険には掛け捨て型と貯蓄型の2つのタイプ があります。

掛け捨て型はその名のとおり、支払った保険料が戻ってこないタイプ。その代わりに保険料は貯蓄型に比べて割安です。また、商品数も掛け捨て型の方が圧倒的に多く、自分にあったものを選びやすくなっています。

一方、貯蓄型は、所定の年齢に達したときに満期金といった形でお金を受け取れたり、一定期間ごとにボーナス金が受け取れるといったタイプです。ただし、マイナス金利の影響で保険に貯蓄性を期待することは難しく、支払った以上の額を受け取るのは難しいのが実情です。また、最近では一定の年齢になると、それまで支払った保険料が戻ってくる(給付を受けた分は除く)といったタイプの保険も一部保険会社から発売されています。

一般的には保険料が割安な掛け捨て型を選ぶほうがよいでしょう。

掛け捨て型医療保険についてさらに知りたい方は以下の記事もあわせてご参照ください。
掛け捨て医療保険を選ぶべき4つのメリットと貯蓄の考え方
貯蓄型の医療保険のしくみを徹底解説

2-2. 終身型と定期型

医療保険は、設定される保障期間によっても終身型、定期型の2つのタイプに分かれます。

終身型医療保険は、保障が一生涯続くタイプの保険。保険料は定期型に比べて高いものの、保険料や保障内容は加入時からずっと変わらないため、若いうちに加入しておけば、安い保険料で手厚い保障を得ることができます。

定期型医療保険は10年、20年など一定の期間を保障する保険。10年ごとの更新が一般的で、一定の年齢になるまで更新を継続できます。保障期間が限定されているため終身型に比べると保険料が安いのがポイントです。ただし更新のたびに保険料が上がっていくので、長期的な加入には向きません。

3. 医療保険の選び方|5つの基本ポイント

医療保険を選ぶ際には、以下の5つのポイントについてしっかりと決めていくことが基本です。

3-1. 入院時の保障をどうするか?

まず、「入院給付金日額」(入院1日当たりの支給額)や「1入院の限度日数」(1回の入院につき保障の対象となる入院日数)について、自分がどれぐらい必要かを考えて、それをカバーできる商品を選びましょう。

保障内容でいうと、さらに手術時や通院時の保障も要チェックです。これらについては次節(4-1)でさらに細かく解説をします。

入院日額や限度日数の考えかたについては以下のページをご参照ください。
入院費用の平均額と備えておくべき入院給付金額(日額)
医療保険の入院日数は何日?統計データからみた保険の入り方

3-2. 終身型と定期型のどちらにするか?

前章で解説したとおり、医療保険は終身型と定期型の2つのタイプに分けることができますが、保険料・保障期間など、さまざまな点で異なっています。保険料が高めでもずっと保障を得たいのか、安い保険料で一時的な保障を得たいのか、自分の状況をきちんと踏まえたうえでどちらを選ぶべきなのかを決めるのが大切です。

ただ、年を重ねるほど病気やけがのリスクが高まることを考えると、一般的には終身型を選ぶ方がよいでしょう。

終身医療保険については以下のページもご参照ください。
失敗しない!終身医療保険選びに必要な知識と5つのポイント

3-3. 特約をどうするか?

医療保険では主契約による基本保障に加えてオプションとして特約をつけることができます。
商品によって付けられる特約は異なりますが、一般的には三大疾病保障特約や先進医療特約、がん特約や通院保障特約などがあります。これらは比較的、必要度が高い保障といえるでしょう。

特約は主契約と違い、途中で解約したり中途付加したりと自由が利きます。そのため、契約時に詰め込みすぎるのではなく、自分のライフプランに合わせて柔軟に設定していくことが大切です。

3-4. 保険料をおさえる入り方

医療保険でやはり気になるのは月々の保険料。保障内容が手厚く、保障期間が長いほど安心ではありますが、その分保険料は上がっていく傾向にあります。何社からの医療保険で保険料の比較をして、信頼性の高い保険会社の中で、できるだけ安いものを選ぶとよいでしょう。

また、保険料が安い商品を選ぶ以外にも、月払いではなく、半年払い、年払いなど、できるだけ保険料をまとめて支払うようにすると、トータルの保険料を安くすることができます

3-5. 保険料は短期払いと終身払いのどちらにするか?

終身医療保険の場合、保険料の支払い方法には「短期払い」「終身払い」があります。

短期払いは、一定期間のうち(例えば60歳まで)に保険料の支払いを済ませる方法。保険料を支払い終えた後も保障は一生涯続くため、経済的に不安な老後に保険料無しで保障を保つことができます。また、平均寿命くらいまで生きた場合には、終身払いと比べて支払う保険料の総額が安く済む可能性が高い点もメリットです。

一方、終身払いは一生涯保険料を支払い続ける方法です。短期払いと比較して、月々の保険料の負担が軽い点が大きなメリットと言えます。ただし、収入が減る老後に保険料を払い続けなればいけない点には不安が残ります。

どちらを選ぶかの一般的な考え方として、加入する医療保険を一生涯続けていく場合は、短期払いがおすすめです。老後に保険料無しで保障を保てるため安心感があり、長い目で見れば保険料の支払総額も安くなるからです。一方、加入する医療保険を今後見直す予定という場合には終身払いがおすすめで、月々の保険料を安く抑えることができます。

4. 自分にあった保障の選び方

自分に合った医療保険を選ぶためには、前章の基本ポイントのほかに、手術や通院の保障、生活習慣病の保障など、さらに必要な保障を取捨選択しなければなりません。この章では、これらの保障の選び方を紹介します。

4-1. 入院・手術・通院に対する備え方

一般的な医療保険の保障の中心である入院・手術・通院に関する保障について、どのような選び方、保障額の決め方をすればよいか、その考え方をお伝えします。

4-1-1. 入院時の保障

まずは入院時の保障から見ていきましょう。

<入院給付金日額>
入院で受け取れる入院給付金は、日額5,000円と10,000円の2つのプランが一般的。しかし、より高額なプランを選ぶことも可能です。
公的医療保障の高額療養費制度を利用すれば、治療費の自己負担額は最大でも1ヵ月で8~9万円程度です。それを加味し、さらに公的保障が適用されない差額ベッド代、食事代などをカバーできるように日額を決める必要があります。

<一時金タイプの入院給付金>
入院給付金には、「入院1日あたりに支払われる額(日額)×入院日数分」で給付金を受け取れる日額タイプと、給付金をまとまった一時金で受け取れる一時金タイプがあります。
最近では医療の発達で入院が短期化する傾向にあり、2日や3日、あるいは日帰りでの入院というケースも少なくありません。例えば1日の入院でも一時金が支払われる商品の場合は、日帰り入院でもまとまったお金を受け取れるので、より短期的なリスクに向いているといえます。

<1入院あたりの限度日数>
1入院あたりの入院給付金の支払い限度日数には、60日タイプ、120日タイプ、360日タイプなどがあり、これらの日数を超えた分の入院給付金は支払われません。前述のとおり入院日数が短縮傾向にある現在では、多くの場合60日タイプで対応できるでしょう。
(参考)医療保険の入院日数は何日?統計データからみた保険の入り方

4-1-2. 手術時の保障

所定の手術を受けた際に受け取れる手術給付金は、入院給付金日額を基準にして手術の内容によって倍率で決められるものや内容に関係なく一律で決まっているものまで、商品によってさまざまです。また、手術を受ければ何でも給付を受けられるわけではなく、保障対象となる手術は約款であらかじめ定められています。

給付条件についていうと、保険に加入する前から発覚していた病気やけがに対する手術の場合、原則対象外となります。さらに美容整形や視力矯正といった、治療目的ではないものも対象外となるので、加入を決める際には保障される手術内容を確認しておきましょう。

4-1-3. 通院時の保障

入院日数が短期化する一方で、入院後の通院日数は増加傾向にあります。そのため、通院保障へのニーズが増しており、通院保障がついている保険も少なくありません。特にがんは、手術後の放射線治療や抗がん剤治療など、通院での治療が長引く場合が多く、通院保障の必要性が高くなります。

また、治療だけでなく病院までの往復にタクシーを使わなければならない場合なども、費用負担が重くなります。入院・手術だけでなく、通院時にも保障が受けられるタイプを選ぶと安心です。

4-2. 三大疾病をカバーできる保障かどうか

日本人の死因ランキングで常に上位にいる「がん、急性心筋梗塞、脳卒中」の三大疾病。これらの病気は治療が長期化しやすい傾向にあり、特に脳卒中は入院期間も長くなり、医療費も非常に高額になります。三大疾病に対しては、入院保障や通院保障だけでなく、特約等でも備えておくとよいでしょう。

5. 年代によっても違う医療保険の選び方

医療保険は、あらゆる世代において必要な保険ですが、加入する時期によって選び方は異なってきます。そこで、20代~50代まで、年代別で医療保険の選び方のポイントを解説していきます。

5-1. 20代の選び方

20代は徐々に社会に慣れていく段階です。通常、経済的に余裕がなく、ましてや独身の場合は、医療保険について考えたことがない人も多いでしょう。しかし、20代でも病気やけがのリスクがまったく無いという訳ではありません。また経済的に余裕がないからこそ、万一の事態における出費は大きな痛手となります。そのため、必要最低限の保障プランにできるだけ安く加入するとよいでしょう。

この世代で医療保険に加入する最大のメリットは、ほかの世代と比べて加入時の保険料が安い点です。特に定期型の医療保険ならかなり安いので、将来収入が増えて見直す前提で、10年更新型の医療保険に入っておくという考えもできます。

もちろん、終身型に入れる余裕があれば、20代のうちに加入しておくと、安価な保険料が一生涯上がらないため安心です。さらに短期払いにしてしまえば、老後は保険料の負担なく保障を継続できます。

5-2. 30代の選び方

30代は、さまざまなライフイベントが起こりうる世代です。特に結婚してこどもが誕生した場合には、守るべき家族のためにも、医療保険の加入は必須となります。

また、20代と比べると病気やけがのリスクも高まります。もしも長期間の入院をすることになると、治療費がかかるだけでなく、仕事ができない間の収入減も大きな痛手に。入院が短くても、その後の通院治療が長期化することもめずらしくありません。できれば入院保障に加えて特約などで通院への保障も備えておくと安心です。

5-3. 40代の選び方

40代に入ると、病気やケガのリスクはさらに高まります。なかでも日本人の死因の上位を占める三大疾病(「がん、急性心筋梗塞、脳卒中」)の患者数は、急速に増加します。そのため、20代に必要最低限のプランで加入した医療保険がそのままになっている人は、この時期が見直しの好機です。三大疾病は治療費が高額になるケースも多いので、特約を付加するなどして備えを充実させるとよいでしょう。

また40代は、こどもの養育費や教育費、マイホーム購入費(住宅ローン)など、何かとお金のかかる世代です。万が一のために、医療保険は夫婦ともに加入しておくことがおすすめです。例えば、出費の激しい40代の10年間に限定して定期タイプの医療保険に加入し、保障を手厚くしておくのも一つの手です。

もしも、まだ終身タイプの医療保険に加入していない人は、40代のうちに加入しておくのが賢明です。50代以降の加入は保険料が跳ね上がるだけでなく、病歴などが災いして加入したい保険に加入できない、ということも起こり得るからです。

5-4. 50代の選び方

この世代になると、すでに医療保険に加入している人も多いでしょう。この世代で新しく医療保険に加入してしまうと、保険料が非常に高額になってしまうため、現在加入している保険に不満がない場合は、基本的に保険を見直す必要はありません。

ただし、現在加入している医療保険が定期タイプの場合は、このまま更新を続けていくと、保険料が非常に高額になってしまうため、終身タイプの医療保険への乗り換えを検討しましょう。また、経済的に余裕がある場合は、短期払いや一時払いを活用し保険料を払い終えてしまうのもおすすめです。老後の保険料負担がなくなり安心感が増します。

6. まとめ:医療保険は、ライフステージや年代にもあわせて選ぼう

突然の病気やけがは、誰にでも起こり得るもの。そのため、医療保険は世代を問わず検討しておくべき保険です。ここで紹介した医療保険の選び方(「5つのポイント」と「自分にあった保障の選び方」)を参考に、良い保険に加入してください。

また、ライフステージによっても選ぶべき保険は変わってくるため、そのときどきで必要な医療保険をしっかり選び、見直しをすることが大切です。保障内容と保険料のバランスを見ながらムダのない保険に加入して、もしものときの保障と安心を得られるようにしてください。

株式会社 回遊舎(編集・制作プロダクション)執筆:株式会社 回遊舎(編集・制作プロダクション)
金融を専門とする編集・制作プロダクション。多数の金融情報誌、ムック、書籍等で企画・制作を行う。保険、身近な家計の悩み、投資、税金、株など、お金に関する幅広い情報を初心者にもわかりやすく丁寧に解説。

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