NISA・つみたてNISAを 利用する際には、最初に金融機関に専用口座を開設する必要があります。その際に、「どこの金融機関でも同じだろう」と、よく考えずに口座開設をしてしまうと、あとで後悔することも。
というのは、NISA・つみたてNISAは、開設した口座によって選べる商品が違うからです。
そこで、ここではNISA・つみたてNISAの金融機関選びで失敗しないよう、ポイントやコツを解説していきます。
目次
1. 金融機関を選ぶ前に大前提を知っておこう
NISA・つみたてNISAの金融機関選びについて考える際に、必ず知っておきたい2つの前提をおさらいしましょう。
NISAとつみたてNISAの違いについて知りたい方は以下の記事を参照してください。 ・「NISA」「つみたてNISA」の違いと選択のポイント!
1-1.【前提1】口座開設できるのは1人につき1口座
そもそも、NISAとつみたてNISAは併用ができないため、どちらを利用するかを決める必要があります。その上で、専用口座を開設することになります。口座はひとり1口座と決まっており、複数持つことはできません。
口座開設後の金融機関の変更は、1年に1度手続き(年単位での変更)が可能です。したがって、その年に一度でもNISA枠を利用すると翌年まで変更ができなくなるため、注意が必要です。
1-2.【前提2】金融機関は証券会社か銀行のどちらかを選ぶ
NISA・つみたてNISA専用の口座は証券会社か銀行から選ぶことになります。その際に大きなポイントとなるのが、金融機関によって取り扱い商品が変わるということ。どの金融機関を選んでも同じというわけではないので、事前のリサーチが肝心です。
銀行では株式やETF、REITの取り扱いがないため、それらに投資したい場合は、証券会社(ネット証券含む)を選ぶ必があることも覚えておきましょう。
2. 金融機関を選ぶ3つのポイント
これらの前提を踏まえて金融機関を選ぶポイントを3つの視点で見ていきます。
2-1.【ポイント1】取り扱い商品から選ぶ
金融機関によって取り扱う商品が違うため、投資したい商品、興味のある商品がある場合はその商品を取り扱っている金融機関を選ぶこと。あまり考えず口座開設をしてしまうと、後で気になっていた商品を取り扱っていなかった、なんていうことにもなりかねません。
全体的な傾向として、銀行よりも店舗型証券会社が、店舗型証券会社よりもネット証券会社のほうが取り扱い商品が多くなっています。より多くの選択肢の中から選びたいという人は、取り扱い本数の多いネット証券を選択するのも1つの手です。
■金融機関別比較の取り扱い商品(一例)
NISA | ネット証券会社 | 店舗型証券会社 | 銀行 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
SBI証券 | 楽天証券 | 野村證券 | 大和証券 | みずほ銀行 | 三菱UFJ銀行 | |
投資信託 | 約2,560本 | 約2,650本 | 約830本 | 約360本 | 約260本 | 約440本 |
国内株式 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | - | - |
外国株式 | ◯ | ◯ | - | ◯ | - | - |
つみたてNISA | ネット証券会社 | 店舗型証券会社 | 銀行 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
SBI証券 | 楽天証券 | 野村證券 | 大和証券 | みずほ銀行 | 三菱UFJ銀行 | |
投資信託 | 153本 | 152本 | 6本 | 20本 | 5本 | 12本 |
※各金融機関のWEBサイトより(2020年1月時点)
2-2.【ポイント2】手数料から選ぶ
株式等の売買や投資信託購入時の手数料の違いから、お得な金融機関を選ぶという考え方もあります。
2-2-1.NISAは各金融機関の手数料をよく確認して選ぶ
NISAの場合、国内株式については購入時、売却時の手数料を0円としているところが多いです。しかし、外国株式については基本的に取引手数料がかかり、金額も金融機関によって違います。
手数料が高いと、運用がうまくいってもせっかくの利益が持っていかれてしまうことになります。各社の手数料を比較するとともに、口座開設時に手数料がお得になるキャンペーンを実施していることもあるので、対象期間などを含めてホームページで確認しましょう。
2-2-2.つみたてNISAはどこも手数料なしで安心
つみたてNISAの場合は、投資信託の販売手数料はノーロード(無料)とすることが法律で定められています。よって、金融会社による手数料の違いを気にする必要はありません。商品ラインナップとサービスを比較検討すればOKです。
2-3.【ポイント3】サービスから選ぶ
サービス面を重視して金融機関を選ぶという方法もあります。
初めて投資にチャレンジする人のなかには、証券会社は敷居が高いと感じる人もいるでしょう。とくにネット証券は原則、担当者と対面での相談はできないため、不安だという人もいるかもしれません。
その点、普段からよく行っている銀行で口座開設をすれば、運用に関する質問や相談も対面で行うことができます。商品数では証券会社に劣りますが、身近で相談しやすいという点は大きな強みです。ただし、繰り返しになりますが、銀行では株式やETF、REITの取引はできないので、その点には留意しましょう。
対面で相談できたほうがいいけれど銀行でなくてもいいという場合、店舗型証券会社を選ぶというのも1つ。その際には、自分の住む町や勤務先の近くに店舗があるか事前に確認しておくようにしましょう。
対面相談のできないネット証券の場合は、電話サポートの手厚さも判断材料に。投資経験がある人の場合は、提供される投資ツールなどが充実しているかなどもチェック項目に上がりそうです。
3. まとめ:しっかりとリサーチして金融機関を選ぼう
ここまで、NISA・つみたてNISAの金融機関の選び方をご紹介しました。とりあえずどこでもいいから口座開設して、商品選びはあとでじっくりと…という方法では、希望の商品の取り扱いがないといったケースもありえます。金融機関選びの際は、取り扱い商品、サービス、手数料まで、しっかりと事前リサーチをして選ぶことをおすすめします。
※本記事は2020年1月時点の情報をもとに作成しています。
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