40代は体力・経験値ともに充実した世代です。一方で、生活習慣病のリスクが一気に高くなります。生活面では、子どもがいる人は教育費の支出がかさむ時期に差し掛かる人も多いでしょう。そして40代後半になると老後のことも少しずつ視野に入れる時期です。
このように変化の多い40代のリスクと保険選びについて見ていきます。
目次
1. データで見る40代に多いリスクとは
40代はどんなリスクが多いのでしょうか。
1-1. 40代の入院理由
40代の人がどのような理由で入院をしているのか、厚生労働省のデータから実際の数値を見てみましょう
■40代・男性の入院理由 上位5疾患
順位 | 傷病の種類 | 人数(千人) |
---|---|---|
1 | 精神及び行動の傷害 | 15.2 |
2 | 損傷、中毒及びその他の外因の影響 | 3.6 |
3 | 循環器系の疾患 | 3.5 |
4 | 神経系の疾患 | 3.3 |
5 | 新生物<腫瘍> | 2.5 |
■40代・女性の入院理由 上位5疾患
順位 | 傷病の種類 | 人数(千人) |
---|---|---|
1 | 精神及び行動の傷害 | 12.1 |
2 | 新生物<腫瘍> | 4.9 |
3 | 神経系の疾患 | 2.8 |
4 | 循環器系の疾患 | 1.6 |
5 | 妊娠、分娩及び産じょく | 1.4 |
※傷病の種類は全部で20種ありますが、そのうちの上位5位までを、多い順に順番に一覧にしています
(出典)平成29年患者調査(厚生労働省)
40代の入院理由で多いのは、男女共に1位は「精神及び行動の障害」です。その人数も、30代に比べて増えており、とくに男性は2倍程まで増えています。40代男性はとくに、メンタル疾患に留意し、ストレスを溜めないような環境を自ら心がけることも大切なようです。
40代の女性は、2位に「新生物<腫瘍>」とあり、これは「がん」のことです。とくに女性は30代から40代にかけて女性特有のがんのリスクが急上昇します。30代との比較 なども参考にしてください。
参考)30代の生命保険選び|責任が重くなる30代に必要な保障とは?
1-2. 40代の死因
40代の死因の1位は男女共に悪性新生物、つまり「がん」です。男性は30代では2位でしたが、40代でとうとう1位となりました。そのほか、心疾患や脳血管疾患など生活習慣病による死亡も多くなります。生活習慣病への対策や備えが必要な世代と言えます。
■40代の死因(男女別)
順位 | 40代男性の死因 | 40代女性の死因 |
---|---|---|
1 | 悪性新生物<腫瘍> | 悪性新生物<腫瘍> |
2 | 自殺 | 自殺 |
3 | 心疾患 | 脳血管疾患 |
4 | 脳血管疾患 | 心疾患 |
5 | 不慮の事故 | 不慮の事故 |
(出典)平成29年人口動態統計(厚生労働省)
2. 40代の保険選び
40代のリスクに備えると共にライフシーンによって異なる、40代の保険選びについてポイントをみていきます。
2-1.【40代・独身】の保険選び
40代独身の人は、自分が病気やケガをした時に「自分自身が困らないように」という観点で保険を選びます。リスクが高くなる時期ですので、しっかりと保険で備えておくと、もしものときにも安心です。
具体的には、医療保険とがん保険などの生活習慣病対策、そして重い病気やケガで働けなくなった時の収入減に備える就業不能保険も必要です。また、老後に備えて資産形成に保険を活用できます。資産形成に向けた保険について積極的に情報を得ることをお勧めします。
2-1-1. 男性の場合
医療保険とがん保険、就業不能保険を中心に万全の保障を確保し、死亡保障は老後の資産形成にもつながるような貯蓄性や運用性のある、終身保険や変額保険などの活用もいいでしょう。個人年金保険も上手に活用しましょう。
医療保険 がん保険 就業不能保険 貯蓄性のある死亡保険 個人年金保険
※緑背景は優先すべき保険(以下同)
2-1-2. 女性の場合
女性特有のがんの罹患率が高まる時期です。女性向けのがん保険や医療保険を活用しましょう。また重い病気や長期的な継続治療による収入減に備えて就業不能保険も自分を守る保険となります。老後に備えた貯蓄性のある保険(終身保険や個人年金保険など)も活用してください。
医療保険 がん保険 就業不能保険 貯蓄性のある死亡保険 個人年金保険
2-2.【40代・夫婦】の保険選び
夫婦ふたりや、パートナーとの生活においての保険選びは、もしものときに、「相手の生活への影響や負担を最小限にすること」を目的に保険を選びます。また老後生活のための貯蓄に保険を活用しましょう。
2-2-1. 男性の場合
生活習慣病に備えた医療保険やがん保険を確保し、死亡保険や就業不能保険は、家族全体の収入をみて不足する分を確保しましょう。資産形成にもつながるような終身保険や変額保険、個人年金保険も上手に活用しましょう。
医療保険 がん保険 就業不能保険 死亡保険 個人年金保険
2-2-2. 女性の場合
40代でリスクがピークとなる女性特有のがんのリスクに万全に備えましょう。医療保険やがん保険と共に、共働きの人は就業不能保険を、また老後に向けての資産形成に終身保険や個人年金保険なども活用しましょう。
医療保険 がん保険 就業不能保険 貯蓄性のある死亡保険 個人年金保険
2-3.【40代・子どもがいる場合】の保険選び
40代は、子どもの成長と共に高額な学費がかかる時期に差し掛かり、支出が収入を上回るといったことも起こる時期ですので、保険を見直すことも有効です。
例えばマイホームを購入し住宅ローンを支払っている人は、住宅ローンに付帯された団体信用生命保険がありますので、一般の死亡保険を減らすことも検討しましょう。共働きの場合は夫婦ともに家計を支えている立場となりますので、どちらに万一のことがあっても家族に与える影響が大きいため、それぞれの必要保障額を算出してしっかり備えましょう。
2-3-1. 男性の場合
子どもの成長と共に、死亡保障額を下げることも検討しましょう。その分、生活習慣病への備えや、就業不能保険(収入減に備える保険)なども備えてください。また、老後の資産形成についても視野に入れる時期です。子どもが社会人になったらすぐに資産形成に着手できるよう情報を集めておきましょう。
医療保険 死亡保険 就業不能保険 がん保険
2-3-2. 女性の場合
40代は女性特有のがんのリスクについて万全に備えましょう。医療保険やがん保険と共に、共働きの人は就業不能保険と死亡保険を、また老後に向けての資産形成も視野に入れておきましょう。
医療保険 がん保険 就業不能保険 死亡保険
必要保障額の目安や計算方法については以下の記事を参考にしてください。
・5分でわかる!死亡保障の必要額と加入すべき生命保険
・すぐわかる!必要保障額の目安と簡単な計算方法
3. まとめ:40代の生命保険選び
40代は生活習慣病のリスクへの注意が必要です。子どものいる人は、教育費などに出費がかさむことで、自分たちのことは後回しになりがちですが、もしも急な病気やケガで働けなくなり収入が途絶えると、家族みんなの生活に大きな影響をおよぼすことに留意してください。この機会に必要な保障を算出し直し、保険を見直すことも重要です。そんな40代の保険選びのポイントをまとめました。
- 40代は男女とも、がんなどの生活習慣病のリスクが高くなります。
- 女性特有のがんの罹患は40代でピークとなるものもありますので女性はしっかり対策を取りましょう。
- 受験や教育費の問題など、子どものことで精一杯になりがちですが、家族の生活を守るためにも、必要な保障についてあらためて見直しをする時期です。
- 子どもが社会人になった人や子どものいない人は、老後の資産運用商品に保険をシフトしていきましょう。
保険・金融専門の執筆家で庶民感覚のわかりやすい文体に定評がある。保険WEBサイト、経済紙記事、書籍「就業不能リスクとGLTD(共著)」ほか執筆実績多数。保険業界メールマガジンinswatch発行人。
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