まだまだ手のかかる小さなお子さんを育てるママ・パパたちにとっても、将来必要となる子どもの教育費は気になるものですよね。
早い段階から貯蓄しておくべきなのは理解しているものの、教育費が実際いくらかかり、どのように貯めていくのがベストなのか、具体的なプランを練るのはなかなか難しいものです。
そこで今回は、子どもの教育費を賢く貯めていくためのポイントを、前回に引き続きファイナンシャルプランナーで「がん治療とお金」のコンサルティング会社「株式会社M&Fパートナーズ」の代表取締役でもある高橋義人さんにおうかがいしました。
漠然と将来かかるお金に不安を感じているママ・パパたちに今からでも実践できる具体的なアドバイスがつまっていますので、ぜひ参考にしてください!
目次
1.すべて公立でも1千万以上!将来かかる教育費を把握しよう
まず教育費を貯めるにあたって必要なのは、今後どれだけのお金が必要になってくるのか、具体的な金額を把握しておくこと。
以下、幼稚園から大学までそれぞれ公立、私立を選んだ場合の学習費総額の平均額をまとめていますので、具体的な数字を見ていきましょう。
■ 表1 幼稚園〜高校までの学習費総額
(単位:万円)
区分 | 公立 | 私立 |
---|---|---|
幼稚園 | 64.9 | 158.4 |
小学校 | 192.6 | 959.2 |
中学校 | 146.2 | 421.7 |
高等学校(全日制) | 137.2 | 290.4 |
出典:文部科学省「平成30年度子供の学習費調査」※学年(年齢)別の学習費総額より作成
■表2 大学にかかる費用
(単位:万円)
項目 | 国立大学 | 私立大学(文系) | 私立大学(理系) |
---|---|---|---|
入学費用 | 67.2 | 81.8 | 88.8 |
在学費用(1年間平均) | 103.5 | 152.0 | 183.2 |
4年間の総費用 | 481.2 | 689.8 | 821.6 |
出典:国民生活金融公庫「令和3年度教育費負担の実態調査」※入学費用、在学費用より作成
驚くことに、すべて私立の学校に進学した場合の教育費は、すべて公立の場合の2倍以上になります!
公立への進学を想定していて、急きょ私立に進路変更となれば、家計にとって大きな負担になるのがわかりますね。
さらに、中学・高校・大学受験に備えて塾にお子さんを通わせるご家庭も増えてきますので、学費以外に塾代の捻出も必要になってきます。
このように今後かかってくる教育費を把握してみると、あまりの金額の大きさに驚かれたママ・パパも多いのではないでしょうか?
「ちゃんと子どもたちの教育費が用意できるのか心配…」
そんな不安な声も聞こえてきそうですが、ここはまずお金のプロである高橋さんに、賢く教育費を貯めるためのポイントを聞いてみまししょう!
2.お金のプロに聞く!保険を活用した教育費の備え、3つのポイント
将来のことを考えると貯蓄が必要なのはわかっていても、日々の生活に追われ、うまく貯蓄ができていないというご家庭も多いかもしれませんね。
そんな、お金を貯めることが苦手というママ・パパでも実践できる、確実に教育費を貯めていくためのポイントをここでは紹介していきます。
2-1.教育費の積立ては「学資保険」より「終身保険」!?
子どもが生まれたら「学資保険」に加入して教育費を貯めるご家庭も多いため、「学資保険」には入っておいた方がいいの?と悩むママ・パパもいらっしゃるかもしれませんね。
そんな疑問に対して、「今のようなマイナス金利の時代では、メリットの薄いものも多く、必ず加入すべきもの、という訳ではありません」と高橋さん。
現在の学資保険はマイナス金利の影響を受け、昔と比べて受け取れる金額も期待するほど増えない場合があり、さらには支払った保険料よりも受け取れる金額が下回るケースも起こり得るといいます。
そのため、保険を活用して教育費を貯めるなら、低解約返戻金型の終身保険がおすすめ。
こちらの保険は、長期間(例えば15年以上)継続して加入することで確実にお金を増やすことができ、さらに被保険者である父親(もしくは母親)が死亡した場合、支払った保険料よりも高額な保険金を受け取ることができます。
学資保険に“なんとなく”で加入する前に、今回ご紹介した終身保険についてもぜひ検討してみてください!
2-2.塾代など短期間で必要となる資金は預貯金で貯めよう!
「保険でお金を積み立てるなら、最低10年は必要」と高橋さんがおっしゃるように、保険は10年、15年とじっくり時間をかけて、お金を増やしていくイメージです。
途中解約すれば、多くの場合、戻ってくるお金は払い込んだ保険料総額を下回り、特に契約後に短期間で解約した場合は、受け取れる解約返戻金は全くないか、あってもごくわずかな金額となってしまいます。
そのため、保険はあくまでも長期的にお金を貯めるものととらえ、子どもの成長に合わせて、何年間でいくら貯める必要があるのかを逆算して、積み立てていきます。
逆に塾の費用など、近い将来に必要となる教育費は、お金が増えることもなければ減るリスクもない、預貯金で着実に貯めていく方がベターだといいます。
保険についても、無理して高額な保険料を支払うのではなく、家計でやりくりできる範囲の金額を設定することで、短期的にかかる教育費を貯めるゆとりを持つことにつながります。
2-3.想定外の保障が必要になったら「逓減(ていげん)定期保険」を活用しよう!
公立から私立に進路変更するなど、想定外に教育費がかかってしまう時期に対する万一の保障として活用をおすすめしたいのが「逓減(ていげん)定期保険」。
一定期間の保障に特化しており、年数がたつごとに死亡保障額も下がる分、保険料も安くなる掛け捨て型の死亡保険です。
当初の計画以上に教育費がかさむことになったタイミングで、万一のことが起きてしまうことも十分考えられるため、子どもの進路変更によって必要な保障が増えた期間、「逓減(ていげん)定期保険」をプラスすることで、万が一の事態に備えることができます。
預貯金や現在の保険ではカバーできない、特に出費がかさむ時期に活用することで、何か起きても子どもたちが安心して教育を受けられるようサポートをしてくれる安心かつお手頃な保険です。
3.まとめ:保険も活用しながら上手に賢く教育費を備えよう!
子どもたちが成長するにつれ、日々の生活費に加え、ローンの返済や教育費など、さまざまな出費がかさむようになりますよね。そんな時こそ、目的やまとまったお金が必要となる時期に合わせて上手に保険を活用し、貯蓄するのがおすすめです。
さらに、万一の事態でも子どもたちが安心して進学できるよう、保険に加入して教育費分の保障を備えておくことも大切。まずは、子どもたちの今後の進学プランを描き、一体どれだけの教育費が必要になるのかを具体的に想定してみましょう。
そして何年間でいくら貯める必要があるのかを計算した上で、短期的に必要になる資金は預貯金で着実に、長期的な資金は保険でじっくりと貯めていきましょう。積立てに適した保険を選び、最低10年はしっかり積み立てることで、着実にお金を貯めることができます。
また想定外にお金がかかる時期なども、万一のリスクに備えて保険を賢く活用することで、子どもたちの将来を守ることにつながりますよ。ぜひ参考にしてみてください。
次回はいよいよシリーズ最終回を迎えます!
これまでは、ライフステージに合わせた保険の選び方についてご紹介してきましたが、最終回のシリーズ7回目は「保険のプロが入っている保険とは?」について、引き続きファイナンシャルプランナーの高橋さんにせまってみたいと思います。
プロならではの保険選びの視点が学べるこの機会をぜひお見逃しなく!
※本記事は2022年3月時点の情報をもとに作成しています。
※記事内容の利用・実施に関しては、ご自身の責任のもとご判断ください。
※掲載している情報は、記事公開時点での商品・法令・税制等に基づいて作成したものであり、将来、商品内容や法令、税制等が変更される可能性があります。また個別の保険商品の内容については各商品の約款等をご確認ください。